SHARP ホームへ戻る

Zaurus
製品情報
活用ガイド
ビジネスソリューション
サポート
ソフト・コンテンツ
デベロッパー
Zaurusトップへ
SL-C700製品レビュー
 
法林岳之が語る森田昌宏が語る
新しいモバイルのスタイルを可能にするSL-C700

モバイルコンピューティングには、いろいろなスタイルがある。スケジュールやアドレス帳を管理したい、メールの送受信やホームページ閲覧に使いたい、ゲームがしたい、電子ブックが読みたい、ビジネスに活用したいなど、ユーザーによって、そのニーズは微妙に異なる。そのため、ある人はパソコンだが、ある人は携帯電話で十分、また、ある人はPDAがジャストフィットするといったことが起こりえる。つまり、モバイルコンピューティングのスタイルは十人十色であり、ひとつのソリューションですべてのユーザーをカバーすることは難しいわけだ。
シャープが発売した新ザウルス「SL-C700」は、さまざまな新しいチャレンジにより、従来のPDAにはない新しいスタイルを実現し、モバイルユーザーの幅広いニーズに応えようとした製品だ。



イメージ画像 まず、第一のチャレンジは液晶ディスプレイだ。一般的に、PDAは携帯電話よりも大きなディスプレイを搭載しているが、パソコンよりは狭く、パソコン向けに作成されたホームページが見えにくいなどの制約がある。しかし、SL-C700ではシャープが新たに開発したシステム液晶を採用することにより、手のひらサイズでVGA(640×480ドット)表示を可能にしている。従来のPDAに比べ、画面に表示できる情報量が格段に増えたため、パソコン向けに作成されたホームページや地図、表計算データなども違和感なく閲覧することができる。実際にホームページなどを表示してみると、高精細さや視認性の良さに驚かされるほどの出来だ。
イメージ画像 SL-C700のもうひとつのチャレンジは、シチュエーションに合わせて利用できる新しい操作環境を実現したことだ。現在のPDAは、画面をペンで操作する「ビューアタイプ」が主流だが、ビューアタイプのPDAは画面に表示される情報を閲覧しやすい半面、文字入力にはペン操作による手書き入力が必須となるなどの制約がある。これに対し、文字入力に適しているのがキーボードを装備した「超小型パソコン」的なPDAだ。パソコンとほぼ同じ配列のキーボードが装備されているため、いつもと同じ感覚で文字が入力でき、文書やメールを作成しやすい。しかし、アプリケーションや機能の操作をするには、画面をクリックするため、キーボードから手を離し、ペンなどで操作しなければならない。その結果、予想以上に操作が煩雑になってしまう。

 SL-C700ではユニークなメカニズムによって、「キーボードによる入力」と「ペンによる手軽な操作感」という相反する2つの要素を両立させることに成功している。パソコン的な「インプットスタイル」では本体に装備されたキーボードで文字を入力できるが、液晶ディスプレイを反転し、本体をたためば、ペンでの操作が可能な「ビュースタイル」に切り替えることができる。つまり、ユーザーが利用するシチュエーションに合わせ、「インプット&ビューの2Wayスタイル」で活用できるわけだ。しかもスタイルを変更したときは、それぞれのスタイルに合わせ、画面表示の縦横が切り替わるため、ごく自然な形で操作することが可能だ。
イメージ画像 また、SL-C700は「SL-A300」で好評を得た「ザウルスショット」もさらに強化されている。ザウルスショットはパソコンで表示しているテキストや画像などを簡単にクリップし、ザウルスのスケジュール機能などに貼り付けることができる。打ち合わせのメールが来たら、日時と場所をクリップ、行き先の地図を見つけたらクリップといった具合いに、使いたい情報を自由にザウルスに取り込める便利な機能だ。パソコンでPIMソフトを利用しなくてもスケジュールなどの情報管理ができるため、非常にスマートかつシンプルにPDAを使うことが可能だ。

イメージ画像 SL-C700のザウルスショットにはこれに加え、パソコンからプリンターに印刷するときと同じように、情報を取り込む機能が追加されている。パソコンのアプリケーションで印刷を実行すれば、その印刷イメージがそのまま、画像としてザウルスに取り込まれるのだ。印刷イメージが画像になっているため、画面からはみ出している部分も保存され、複数ページの文書も複数枚の画像として保存することができる。従来の画像のクリップも便利な機能だが、印刷イメージなら、PowerPointなどで作成したプレゼンテーション資料やAdobe Acrobatなどの文書も手軽に持ち歩くことが可能になるわけだ。市販のグラフィックカードを利用し、プロジェクターやディスプレイに接続すれば、ザウルスだけでプレゼンテーションを行なうことも可能だ。
SL-C700に対応しているグラフィックカードは、アイ・オー・データ機器から販売されています。
イメージ画像 SL-A300では通信機能を利用するためのコミュニケーションアダプターがオプションとして販売されていたが、SL-C700では本体にCF Type II準拠のカードスロットが装備され、無線LANカードやP-in m@sterなどのデータ通信カード一体型PHSを装着できるようになっている。WWWブラウザやメールソフトも標準で搭載されているため、無線LANカードやデータ通信カード一体型PHSをザウルスに装着すれば、モバイル環境でインターネットに接続することが可能だ。設定については「スマート接続機能」が搭載されており、装着したカードに合わせ、あらかじめ設定しておいた接続先に接続することができる。たとえば、無線LANカードならホットスポットサービス、データ通信カード一体型PHSならISP(プロバイダー)といった具合いに、簡単に切り替えられるわけだ。インターネット接続の設定もアシスタント機能を利用すれば、初心者でも簡単にセットアップすることが可能だ。ちなみに、インターネットに接続しないときは、無線LANカードなどに電源が供給されないため、バッテリー消費も最小限に抑えられる。
 この他にもイメージノートのスライドショー対応、カレンダー機能の強化、アカウントごとにメールを整理できるメールソフト、自動巡回にも対応したWWWブラウザ搭載、WordやExcelの文書を編集できる「HancomMobileWord」と「HancomMobileSeet」のプリインストールなど、さまざまな改良が加えられ、完成度が高められている。
 PDAに求められるニーズはユーザーによって、さまざまだ。しかし、発想の転換と新しい技術を活用することにより、予想以上に使い勝手が良くなり、パソコンとの連携もしやすくなる。SL-C700は既存のPDAの概念を打ち破ったSL-A300をベースに、ユーザーの利用シーンに合わせた使い方ができるPDAとして仕上げられている。「モバイルで○○できないかな?」そんなことを思い立ったら、ぜひとも試してもらいたいPDAだ。



Profile
法林岳之(ほうりんたかゆき)
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、PDAまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を数多く執筆。特に、携帯電話・PHSやADSL、ISDNなどの通信及びモバイル関連を得意とする。「できるWindows XP基本編」や「できるADSL フレッツ・ADSL対応」など、著書も多数。インターネットではケータイWatchなどに連載する他、impressTVで「ケータイならオレに聞け」にも出演。自らのホームページも公開中。
法林岳之(ほうりんたかゆき)

  このページのトップへ
COPYRIGHT